大判例

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宮崎家庭裁判所 事件番号不詳 決定

少年 D(昭二二・一一・一八生)

主文

この事件を宮崎県中央児童相談所長に送致する。

同相談所長は本少年をその行動の自由を制限する強制措置のとれる救護院に入所させることができる。

但し、右の期間は昭和三六年三月一一日から三年を超えてはならない。

理由

昭和三六年二月二五日宮崎県中央児童相談所長から前記少年の行動の自由を制限するための強制的措置を必要とするとして少年法第六条第三項、児童福祉法第二七条の二により本件の事件送致がなされた。

本少年は小学校に入学した頃から家庭に落着かず屡々家出しては金品窃取の非行を反覆し、昭和三四年七月一六日教護施設である慎修学校に入所せしめられたが、爾来十数回に亘り自ら或は他の収容児と相謀り同所を逃走して各地を放浪しその都度行先各地で金品窃取の非行をなしていたもので、その性格は自己中心的即行的で、本能的欲求に駆られて眼前の享楽のみを追求しようとする傾向が顕著に認められる。

翻つて少年の家庭をみるに、少年の実母は昭和二四年九月に、実父は同二九年一〇月にそれぞれ死亡し、以来少年は兄B夫婦に引き取られたが、同人は生活に追われて少年を充分に監護する余裕に欠ける許りか、少年の非行を責めて少年に激しい体罰を加える有様で、少年は同人に対して聊かの親和感も有せず、その家庭は少年の安住の場たり得ない状態である。而して右の様な生活環境が少年の前叙性格とも相俟つて少年の人格を極めて高度に反社会的なものに形成して了つたものと考えられる。

そこで、本少年から右の反社会的性格を除去し、少年に年令相応の社会適応性を賦与するための処遇としては、従来どおり少年をその家庭から隔離し専門機関をしてその教化育成の任に当らしめるのが相当であるが、少年が前記の如く逃走浮浪癖を有することに鑑み、少年を適宜その行動の自由を制限する強制措置のとれる教護院に入所させることが必要と認められ、右の措置を採り得る期間は本決定の日から三年間が相当である。

なお、少年を入所させるべき教護院としては、既に国立武蔵野学院から入所の内諾を得てあることが認められるので、同学院をこれに指定する。

よつて少年法第一八条第二項に従い主文のとおり決定する。

(裁判官 田村承三)

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